環境経営の体制

ダイセキグループは、「限られた資源を活かして使う『環境を通じて社会に貢献する環境創造企業』」として環境保全に資する事業を創業当時から営んできました。環境経営の体制についても、環境方針を軸としてこの精神を維持しながら時代に合わせ変化させてきました。近年では、パリ協定やSDGs等の世界目標の宣言を受けた改訂(2019年)、温室効果ガス排出量削減目標のSBTiによる認定を受けた改訂(2022年)、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの必要性の高まりを受けた改訂(2024年)を行ってきました。また、2025年5月には、これらをより発展させる形で「ダイセキグループ環境方針」を策定し、ダイセキグループが一体となった形で環境保全を目指す姿勢を明確化しました。ダイセキグループは、製造業を始めとする諸産業を縁の下の力持ちとして支えながら、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に貢献します。

ダイセキグループ環境方針

ダイセキグループは、経営理念のもと、SDGsの精神に基づいた「ダイセキグループ環境方針」を定めています。

ダイセキグループ環境方針

ダイセキグループは、経営理念である「発想」「構想」「構造」「実行」のもと、国連で採択された行動指針であるSDGs(持続可能な開発目標)の精神を理解し、「限られた資源を活かして使う『環境を通じ社会に貢献する環境創造企業』」をパーパスとして、アジアNo.1のリサイクル企業を目指します。ダイセキグループは、以下の環境方針に基づき、環境マネジメントシステムを実践します。

1.適用範囲

本方針は、ダイセキグループすべての役員と従業員(嘱託、パート従業員、臨時従業員、有期雇用の従業員を含む。)(以下「役職員等」という。)に適用します。役職員等に教育・訓練を通じて周知します。一般の方から要請があればいつでも公開します。

2.環境汚染の予防

産業廃棄物の収集運搬・中間処理を適切かつ安全に行い、事業活動に伴う環境負荷を低減させ環境汚染を予防します。その際に、自然や生物多様性の保全やネイチャーポジティブの実現のための活動を推進します。

3.サーキュラーエコノミー型社会の実現

事業活動で使う様々な資源を有効的に活用し、資源利用の効率化に取り組んでいきます。また可能な限り水資源を有効活用し、水使用量の削減に取り組んでいきます。サーキュラーエコノミー型社会の実現を目指し、受け入れた廃棄物のリサイクル率の向上及び廃棄物から価値や資源を生みだすビジネスを推進します。

4.カーボンニュートラルの実現

2050年度までに事業活動で利用するエネルギーを全て再生可能エネルギーに切り替え、ネットゼロを目指します。また国、地域、サプライヤーと協働しながら温室効果ガス排出量削減に向けた提案や活動を進めていきます。

5.環境関連法令の遵守

環境に関する法規制及びその他の必要な基準を遵守します。

6.継続的な改善と教育

環境関連法令を遵守するために役職員等に対して教育・訓練を実施します。環境目的・環境目標を定め、定期的な見直しを行い、継続的に改善します。

2025年5月9日
ダイセキ取締役会にて承認

環境マネジメントシステムによる環境経営の構築

ISO14001登録証

ISO14001登録証

ダイセキでは1998年に千葉事業所で初めてISO14001の認証を取得しました。その後2006年に全社統合のISO14001の認証を取得し、それ以降、認証を継続取得しています。国内のグループ会社についても、ISO14001やエコアクション21を運用し、環境保全活動を継続的に進めています。 ダイセキグループではダイセキ、ダイセキ環境ソリューション、ダイセキMCRではISO14001を取得し、 北陸ダイセキ、グリーンアローズ中部、グリーンアローズ九州ではエコアクション21を取得しています。

ダイセキグループは、社長をトップとする環境マネジメントシステムによる環境経営の体制を構築しています。ダイセキ及びグループ会社の経営陣で構成するサステナビリティ本部会にて、環境保全や気候変動問題に関係する重要事項の審議・決定を行っています。また、事業活動が環境におよぼす影響を把握、評価、是正を図ることにより、環境保全活動の継続的な改善を図っています。

2024年2月末時点で、ダイセキグループの全49サイトのうち、ISO14001の認証を17サイト、エコアクション21の認証を4サイトで取得しています。

内部環境監査及び外部環境審査

内部環境監査員の教育を受けた内部環境監査員が、定期的にISO14001またはエコアクション21の要求項目の適合性を確認する「内部環境監査」を実施し、指摘された箇所を当該部署が責任を持って改善しています。また年に1回、内部環境監査の結果を踏まえて社長が「マネジメントレビュー」を実施し、組織のマネジメントシステムの適切性、妥当性及び有効性が継続的に改善されていることを確認しています。さらに年に1回認証機関による「外部環境審査」を受けています。認証機関はISO14001またはエコアクションの要求事項が確実に実行されているか、現地審査、書面審査、ヒアリングにより確認を行っています。ダイセキグループではこのように外部環境審査を受けて認証を維持継続しています。

内部環境監査及び外部環境審査の実施状況

2021年度 2022年度 2023年度
ダイセキグループの事業所サイト数 41 42 49
ISO14001またはエコアクション21を取得しているサイト数 19 21 21
内部環境監査を実施しているサイト数

15

※エコアクション21を取得している4サイトは内部監査の対象外

17

※エコアクション21を取得している4サイトは内部監査の対象外

17

※エコアクション21を取得している4サイトは内部監査の対象外

外部環境審査を受けているサイト数 19 21 21
内部環境監査で指摘された不適合件数 1 6 4
外部環境審査で指摘された不適合件数 0 0 1

TCFDへの対応

ISO14001登録証

事業活動金融安定理事会(FSB: Financial Stability Board)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース」は、投資家の立場から企業に対して、気候関連のリスクと機会やガバナンスの明確化等、企業の気候変動に関する情報開示を求めています。当社は、2020年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)提言への賛同を表明し、気候関連のリスクと機会が当社の経営におよぼす財務的影響の評価(シナリオ分析※2)を開始しました。今後は、これまでに得られた知見を活かしながら、シナリオ分析の充実化や対応策の検討を進めつつ、TCFDのフレームワークに基づく情報開示を進めていきます。

※1 TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures

※2 「TCFDを活用した経営戦略立案のススメ~気候関連リスク・機会を織り込むシナリオ分析実践ガイドver3.0~」(2021年3月発行、P235-247)

統合報告書

シナリオ分析に基づく経営戦略

サステナビリティ本部会

地球環境への負荷を低減しながら、事業を成長させるため、サステナビリティ本部会にて、ダイセキの社長を含む業務執行役員とグループ会社の社長で構成されるメンバーで、TCFDのシナリオ分析を踏まえながら環境問題への対応方針の審議を行い、推進状況のモニタリングを実施しています。サステナビリティ本部会における議論の進捗状況を取締役会で報告しています。サステナビリティ本部会の位置づけについてはコーポレートガバナンス体制図をご参照ください。

サステナビリティ経営実績と報酬の連動

社内取締役及び執行役員の報酬は、企業価値の持続的な向上とサステナブル経営の実践・推進の向上を図るインセンティブとして機能するよう株主利益と連動した報酬を取り入れ、個々の取締役及び執行役員の報酬の決定に際しては各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としています。SBT目標の達成に向けて社内ではISO14001に基づき各事業所の排出量削減目標を設定しています。この事業所目標を達成した取締役と執行役員には株式報酬を付与することとしています。

環境経営の体制

地球環境への負荷を低減しながら、事業を成長させるため、サステナビリティ本部会にて、社長を含む業務執行役員とグループ会社の社長で構成されるメンバーで、TCFDのシナリオ分析を踏まえながら環境問題への対応方針の審議を行い、推進状況のモニタリングを実施しています。サステナビリティ本部会における議論の進捗状況を取締役会で報告しています。

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